【歯周病かも? 口の中と発熱との関係を調べた】
今日は、アンナをバギーに乗せてトリミングに行った
天気が良くて、暑かったからね
地面が熱いから、歩かせるよりバギーのほうがいい。行きも帰りも、アンナはバギーの中で落ち着いていた
アンナ、バギーは楽チンだワン
トリミングの人から、何か言われた?
毛に、もつれがあったと言われた。ブラッシングが届いていないところがあるんだと思う。もう少し、こまめにケアしようと思った
【帰ってから、ケアのつもりで】
家に帰って、ブラッシングしながら、いろいろ見ることにした
毛のもつれだけじゃなく?
口の中も。仰向けに抱くと、口の中が見やすい。歯ぐきの色、歯石の付き方、口臭、それから歯のぐらつき
で、どうだったの?
……おや、と思った。グラグラしている歯があるかもしれない
自分で判断できた?
できなかった。指で触って、わずかに動く気がした。でも、気のせいかもしれない
アンナは、痛がってた?
痛がらない。嫌がりもしない。だから、余計にわからない
アンナ、パパに口を触られても平気だワン
それが、いちばん判断を難しくするところだ
【思い出してみると】
口の中を見て、あとで気づいたんだけど、思い当たることが、いくつかある
いくつか?
ひとつは、歯ぎしりだ。しばらく前から、アンナからコリコリッというような音が聞こえることがあって
いつ頃から?
1、2ヶ月前くらいだったと思う。ときどきなんだ。
歯ぎしり、か
口の中を気にするときに出ることがある、という話をあとで読んだ
もうひとつは?
ご飯。ドライフードの粒が、ぽろっと口からこぼれて、アンナ自身がそれを見失うことがある
うん、あるね
でも、昔からだったかもしれないんだよ。食欲はある。元気もある。落ち着きが足りないアンナだと思って、見過ごしてきた
あとで読み返したら、そういうサインとして書かれてたよね
ああ。『硬いものを避ける』『食べこぼす』は、サインの一覧にあった。昔からかどうかも、いまの俺にはもう分からない
【スマホのAIに聞いてみた】
撮った写真を、スマホのAIに見せてみた
AIに?
うん。ただし、AIははじめに、『専門家としての助言はできません』と言った。その前提で、写真に見えるものだけを挙げてきた
何を指摘したの?
外見上の歯石の付着。それから、歯肉の退縮、歯茎下がりのことだな。あと、歯列のズレ
AIは、それが病気だとは言わなかったの?
言わない。判断はできない、獣医に診てもらってほしい、とだけ。それで当然だと思う。写真だけで診断できたら、それこそ困る
でも、自分の目と別の目で、同じところが気になった、ということだね
『歯茎下がり』は歯周病のサインのひとつだ。歯ぐきが下がって歯が長く見える、というやつだ
犬の歯周病について、何がわかった?
犬の歯周病は、歯の表面に付く歯垢の中の細菌と、それに対する体自身の炎症で、歯を支えている組織が壊れていく病気なんだ
歯を支えている組織、というと?
歯ぐき、歯根膜、それから歯を支える骨。歯垢は食べかすじゃなくて、細菌の層。バイオフィルムというそうだ
人の歯周病と、同じようなもの?
名前は同じだけど、犬は虫歯より歯周病が中心。進行の速さも違う。歯をきれいにしても、歯垢は24時間以内にまた付き始める。犬では数日で石灰化して、歯石になる
数日。人よりずっと早いね
だから、間隔をあけて思い出したように磨くやり方では、間に合わないらしい
【調べたこと・グラグラはどの段階か】
進行の段階も書いてあった
どういう順番?
まず歯肉炎。歯ぐきだけが炎症を起こしている段階で、ここなら元に戻せる。次が歯周炎。炎症が歯ぐきの奥に広がって、歯を支える骨が溶けていく段階。ここから先は、失った組織は戻らない
一度失うと、戻らないんだ
そう。治療は、溶けた骨を元に戻すものじゃなくて、これ以上進ませないためのものだと書いてあった
じゃあ、歯がグラグラするのは
歯周炎まで進んだサインであることが多い、と。骨が減って、支えが弱くなっている状態だ
さっき、グラグラしているかもしれないって言ってたよね
ああ。でも、外から見える部分だけでは、本当の状態はわからない。歯の6割くらいは歯ぐきの下にあるから
見えている歯を眺めても、わからないんだ
そういうことだ。正確に調べるには、麻酔をかけて1本ずつ測って、歯科のレントゲンを撮る必要がある
レントゲンか。口の中のレントゲンなんて、考えたこともなかった
【調べたこと・犬は痛みを隠す】
もうひとつ、引っかかったことがある
何?
犬は痛みを我慢しがちで、『食べているから大丈夫』と見えても、実は片側でかばって噛んでいることがあるんだそうだ
アンナ、食欲はあるもんね
ある。硬いものも食べる。だから、痛くないとは言い切れない
気づけるサインは、あるの?
口臭が強くなった。歯ぐきが赤い、腫れている、触ると出血する。硬いものを避ける、食べるのが遅い、食べこぼす。口の周りを触られるのを嫌がる、顔をこすりつける。それから、歯がぐらつく、歯が抜ける
口臭は、どう?
あるけど、自分の鼻が基準だから、当てにならない
アンナ、ご飯はちゃんと食べるワン
それが、いちばん厄介なところだ。食べているから、大丈夫に見える
サインが出たときには、もう進んでいることが多い、ということだね
そう書いてあった。歯ぐきの炎症だけの段階なら戻せるのに、気づくのはいつもその先なんだ
【発熱との関係を疑う】
それで、ずっと気になっているのが、2週間前の熱のことだ
39.9度まで出たやつだね
あのとき、先生は『感染のサインは見当たらない』と言って、抗生物質を長く続ける話にはならなかった
うん
でも、口の中に菌がいたら、話が変わってくるかもしれない。そう思って、その関係も調べてみた
どうだった?
歯の根元まで感染が及ぶと、歯根膿瘍という状態になることがある。これは痛みが出て、顔が腫れて、食欲が落ちて、発熱を伴うこともある
発熱を伴うこともある
そう。だから、あの熱が口の中から来ていた可能性は、ゼロではない
じゃあ、歯周病が熱の原因だったの?
いや、そこは分けて考えないといけない
分けて?
調べた中で、いちばん誠実だと思ったのは、『関連』と『原因』を分ける、という書き方だった
どういうこと?
歯周病の犬では、腎臓や肝臓、心臓に組織レベルの変化が多く見られた、という研究がある。それから、炎症のある歯ぐきから細菌が血液に入る、菌血症という状態も知られている
全身に回るんだ
でも、『歯周病が心臓病や腎臓病を引き起こす』と断定できる段階ではない。いま確認されているのは『関係がありそうだ』というところまでで、『歯周病のせいでその病気になる』とまでは証明されていない
そういう書き方をするんだ
そう。不安をあおるのは、正確じゃない。口の中の炎症と細菌を放置しないほうがいい、というところで止めるのが誠実なんだと思う
で、アンナの場合は?
アンナの口の中に、炎症があるかどうかすら、まだ確認していない。だから、熱と歯をつなげるのは、まだ早い
まず、口の中を見てもらうのが先だね
【晩ご飯のあと】
晩ご飯を食べたあと、アンナの様子を見ていて、気づいた
うん
皮膚が、ちょっと赤い。それから、触ると、なんだかまた熱っぽい。パンティング(ハアハア)もしていた
さっきは平熱の感じだったのにね
体温計では測ってない。でも、抱っこの感じ、熱が上がりそうな気配。
やっぱり
1週間前に動物病院でもらった痛み止めとビタミン剤。『症状が出たら、これを飲ませてください』と言われていた頓服だ。その指示に従う形で、熱が上がる前に飲ませて、また散歩はお休みにしよう、ということになった
先生から渡されていたお薬を、言われたとおりに使った
病院の指示の範囲内のつもり。でも、今のこの赤みと熱っぽさが想定していた『症状』かは分からない
【アンナの仕草】
そのあと、アンナは前足で、口の下側をゴシゴシこすった
顔をこすりつける。それも、さっきのサインのひとつだね
それだけじゃない。パパの部屋に戻ってからも、口の下側をベッドの壁に、何度も擦り付けるような仕草を繰り返した
アンナ姉さん、口のあたりを気にしてるみたいニャ
姉さん、痛いのかニャア……
サンス、歯は見えないッス。でも、隣で見てるッス。アンナ、我慢しないでほしいッス
……わかったワン
【冷蔵庫の中のケーキ】
そういえば、冷蔵庫
ああ。アンナのバースデイケーキが、出番を待ってる
ケーキ!アンナ、楽しみだワン!
10月だから、まだ先だ
誕生日の日に、美味しく食べてくれるといいね
そうだな。それまでに、口のことはすっきりさせておこう
アンナ、ケーキ、ちゃんと食べるワン!
【アンナへ】
アンナ
ワン?
痛かったり、辛かったりしたら、知らせるんだよ。我慢しなくていい
……アンナ、我慢してたかもしれないワン
うん。これからは、知らせてくれればいい。パパも、もっと口の中を見るようにする
わかったワン。アンナ、知らせるワン
アンナ、えらいね
えへへ、ワン
【調べたときに読んだもの】
- チャートでわかる愛犬の症状と応急処置(インターズー)
- 古谷動物病院「犬の歯周病」 https://furuya-ac.co.jp/diseases/periodontal-disease (仕組み、進行段階 PD0〜PD4、全身の健康との関係、診断・治療、日常のケア)
- 「【獣医師監修】犬の歯周病、放置は危険!症状・治療法・費用・予防法を徹底解説」 https://veterinarian.jp/dog/dog-disease-and-symptom/dog-periodontal-disease/ (レベル別の症状チェックリスト、放置したときのリスク)
- PetMD「Periodontal Disease in Dogs」 https://www.petmd.com/dog/conditions/mouth/periodontal-disease-dogs (進行段階、症状、麻酔下での検査とレントゲンによる診断)
- アニコム損害保険「根尖膿瘍(こんせんのうよう)<犬>」 https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/884 (歯の根元の炎症と、顔の腫れ・食欲低下などの症状)
- じろうまる動物病院「犬の歯根膿瘍の症状と原因、治療について」 https://jiroumaru-ah.com/case/case-dental/entry-77.html (歯根膿瘍の症状。痛み、食欲不振、よだれ、顔の腫れ、口臭)
- 世界小動物獣医師会(WSAVA) 歯科ガイドライン https://wsava.org/global-guidelines/dental-guidelines/ (犬猫で多い口腔・歯科疾患の予防と治療の国際ガイドライン)
※この記事は、我が家の体験を記録したものです。症状や検査の見方は、動物ごとに違います。病気の診断や治療の判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
※この記事を参考に何かを行う場合は、ご自身の判断と責任のもとでお願いします。
