春のごほうび

今日はトリミングの日だったワン。朝のお散歩だと思って歩き始めて、でも立ち止まって、気になるにおいをクンクンして。
そうしたら、「予約の時間になっちゃうよ」とパパに抱っこされて……ちょっとドキドキしたワン。

いつものようによろしくお願いします。アンナ、迎えにくるまで、いい子でね。

うん、いい子にするワン!

(外は春の日差し)

今日もいい天気。春らしくて気持ちがいいね。

昨日はビール飲み過ぎちゃったな。今日もこの芝生でお花見してる人たちがたくさんいるよ。

私たちはとりあえず掃除かな。

そうだな。アンナが帰ってきたときに、きれいな部屋で迎えてやりたいし。

ペットヒーターはもう夜だけでよさそう。

(パパが部屋を掃除しはじめる)

ふう……けっこう汗かくな。すっかり春だ。

(午後、アンナのトリミングが終わり)

ただいまワン!ふわっふわになったワンよ〜!

おつかれ、アンナ!うわ、真っ白だなあ!すごい、まるで雪みたいだ!

ぬいぐるみみたい。かわいい〜。

足の関節もすっかり普通に動いてるように見える。安心したよ。

写真 白い犬 アンナ。トリミングから帰ってきたばかり

いま痛み止めは3日に1回だけど、次は4日に1回にしてみようか?

そうだな、今日の様子なら、いけそうな気がする。でも無理はしないように、様子を見ながらだな。

みんなが心配してくれてるの、うれしいワン。でも今日は本当に調子がいいワン!

(夜ごはんの時間。パパとママの食卓にて)

あっ!イチゴと……リンゴ!?どっちも大好きワン!(そわそわ)

アンナ、また私の足元でオスワリしてる……ちゃんとわかるのね。

毎回よく見てるよなあ。ほら、しかたないなあ……ちょっとだけな?

わーいワン!ありがとうワン!

イチゴもリンゴも……興味ないニャ。ニオイは悪くないけど、シャリシャリする音がニガテだニャ。

オレもだニャア。あんな甘いものより、夜のカリカリの方がうまいニャア。

みんな、それぞれッス。でもアンナが嬉しそうでよかったッス。

今日はがんばったから、ごほうびもらえてうれしいワン!

すっかり春だね。

穏やかな一日だね。

写真 桜の枝に咲く花

ネコは花粉症になる?

ハコの涙 〜アレルギーかも?〜

ハコ、大丈夫?最近くしゃみも出てたし、目やにも多いね。

昨日から左目から涙が出てるニャ。気持ち悪いニャ…

顔をこすりすぎると傷つくから気をつけるニャア。

そういえば、最近黄砂や花粉のニュースをよく見るな。アレルギーの可能性もあるぞ。

私も春はくしゃみが出るワン。ハコちゃんもそうかもしれないワン。

爪も伸びてるし、病院に行きましょうか。

僕も見てて辛そうだったッス。早くよくなるといいッス。

怖いけど…目がかゆいのはもうイヤだから、行くニャ。

病院から帰ってきて

帰ってきたニャ…。知らない人に触られるのは苦手ニャ。

よく頑張ったな。先生も手際が良かったし、あっという間に爪も切れた。よく研いでいるってほめられたけど、いったい何ヶ月ぶりの爪切りかな。。

目と鼻も丁寧に診てもらったよ。聴診器で心臓と耳のチェックもしてくれて。

痛くなかったワン?ハコ、えらいワン!

ネコは花粉症にならないんだって。アレルギーかも知れないけど、病気ではないので、様子を見ましょう。

目薬の代わりに番茶やほうじ茶でケアできるって教わった。これは猫にも犬にも使えるらしい。

脱脂綿にお茶を染み込ませて目元をやさしく拭く。ほうじ茶は家にあるし、あとは脱脂綿ね。

病気じゃなくてよかったッス!ハコ、おつかれさまッス!

…不機嫌だけど、がんばったニャ。

(小声で)家族よりプロの方がうまく爪切れるって…介護と似てるかもな。

(小声で)他人だとあまり抵抗しないよね。

おやつ食べたら元気出るワン!

アンナはそうだけど、ハコはあまり食いしん坊じゃないんだよね。

アンナの関節ケア、その後

アンナの薬もまたもらってきたよ。

『元気に散歩してます。痛み止めは2日に1回です』って伝えたら…

『じゃあ3日に1回にしてみましょう』って。

わたし、がんばってるワン!今日もお散歩で階段をのぼったワン!桜が咲いてたワン!

まだ寒い日もあるけど、春がやってきたね。

写真 咲き始めた桜

見えないリード~現代の寓話~

むかしむかし、あるところに「オオサマ」という名前のフレンチブルドックがいました。オオサマは、とても自尊心の高い犬で、いつも自分が一番だと思っていました。

オオサマのママは、オオサマをとても大切にしていましたが、一つ困ったことがありました。それは、オオサマが散歩中に他の犬に吠えたり、急に走り出したりすることでした。

「オオサマったら、もっとおりこうにしてほしいわ」とママはため息をつきました。

ある日、町に新しいペットショップがオープンしました。そのお店の主人は、「どんな問題も解決する魔法のアイテム」を作ることができると評判でした。

ママはオオサマを連れてそのお店を訪ねました。

「いらっしゃいませ」と店主は笑顔で迎えました。「どのようなご用件でしょうか?」

「うちのオオサマが散歩中に言うことを聞かないんです」とママは説明しました。「他の犬に吠えかかったり、急に走り出したりして、普通のリードだと引っ張られて大変なんです。何か良い方法はありませんか?」

店主はオオサマをじっと見つめ、微笑みました。「なるほど。実は多くの飼い主さんが同じ悩みを抱えていらっしゃいます。特に、このような気品のある犬は、普通のリードを嫌がることがあるんですよ」

「まさにそうなんです!オオサマはいつも首輪やリードを嫌がるんです」とママは共感しました。

店主は声をひそめて言いました。「それでは、あなたのために特別な『見えないリード』をお作りしましょう。このリードは特別な糸で編まれており、感受性の高い人や優れた犬にしか見えないのです。見えないので、オオサマも嫌がらず、でもちゃんとコントロールできるんですよ」

「まあ、すごい!」とママは驚きました。

店主は続けました。「それだけではありません。このリードをつけた犬は、賢いということを周りの人に示すことができるのです。まだ気づいていない人や、犬のことをよく知らない人には見えないので、あなたとオオサマの特別さが伝わるでしょう」

ママはその話に大喜びしました。「ぜひ作ってください!」

ペットショップの場面のイラスト

数日後、ママとオオサマは「見えないリード」を受け取りにお店に行きました。

「はい、できあがりました」と店主は手振りをしながら言いました。「見えますか?素晴らしい素材で作られていますよ。」

実際には何も手に持っていませんでしたが、ママは恥ずかしくて「見えない」とは言えませんでした。

「ああ、もちろん見えますとも!なんて美しいリードなんでしょう!」とママはつい話を合わせてしまいました。

店主はオオサマの首輪に「見えないリード」を取り付けるふりをしました。「これで完璧です。これからは散歩も楽になりますよ。」

「ありがとうございます!」とママはお金を払い、オオサマと一緒に帰りました。

翌日、ママはオオサマを連れて公園へ散歩に行きました。「見えないリード」をつけているという自信から、ママはいつもより堂々と歩いていました。「これで他の犬に吠えても、急に走り出しても大丈夫」と思ったのです。

公園ではアンナというシーリハムテリアとそのパパが散歩していました。

「あの……リード、ちゃんとつけてますよね?」

アンナのパパは少し困ったように言いました。

「ええ、特別な見えないリードなんですよ。感受性の高い人と犬にしか見えないんです」とママは自慢げに言いました。

アンナのパパは返す言葉に困り「なるほど…素晴らしいですね」と言いました。

アンナはオオサマを見て、「リードなんて見えないけど、あの人が言ってるなら本当なんだろうね。私に見えないってことは、まだまだ未熟ってことワンか?」と言いました。

次に、ハコというネコと飼い主が通りかかりました。

「すごいリードですね」とハコの飼い主は言いました(実際には何も見えていませんでしたが、見えないと言いにくかったのです)。

ハコはクスクス笑って、「あのフレンチブルドックの首輪に何もついてないのに、みんな見えるふりをしてるニャ。人間ってほんと、不思議なところがあるニャ」と言いました。

フクというもう一匹の猫も通りかかり、「なんだか変だニャア。あんなものないのに、みんな見えるふりしてるニャア」と言いました。

植木鉢に入ったサンスベリアのサンスも、窓越しにこの様子を見ていました。「みんな本当は気づいてるけど、言いにくいんスね。不思議な光景ッス」

そして、その日の午後、オオサマは公園で他の犬に吠えかかり、見えないリードなどなかったかのように、勢いよく走り出してしまいました。

「オオサマ!戻ってきなさい!見えないリードがあるでしょう!あのリードならオオサマも嫌がらずに言うことを聞くはずなのに!」とママは叫びましたが、もちろんオオサマは止まりませんでした。

周りにいた人々は、この光景を見てざわつきました。「危ないですよ!」「リードをつけてないなんて…」という声があがりました。

恥ずかしくなったママは、やっと本当のことを認めました。「そうですね、実際にはリードはありませんでした。私、ちょっと見栄を張ってしまっていました。」

その瞬間、オオサマは走るのをやめて、ママの元に戻ってきました。まるで、ママの正直さに応えるかのようでした。

それから、ママはオオサマのために本物のリードと、きちんとしたトレーニングを始めました。誰かに「すごい」と思われたいという気持ちではなく、オオサマの安全と安心を心から願って。

アンナが言いました。「本当のつながりは目に見えなくても、心で感じるものだワン」

ハコがうなずきました。「そうだニャ。見栄を張るより、正直な方がみんな幸せになれるニャ」

フクも加わりました。「ニセモノよりホンモノの関係が大事ニャア」

サンスも窓辺から声をかけました。「一番大切なものは目に見えないッス。でも、リードはちゃんと見えるようにしておいた方が安全ッス!」

こうして、オオサマとママは「見えないリード」ではなく、目に見える愛情と信頼で結ばれるようになりました。そして、それが本当の絆だということを学んだのでした。

おしまい

※犬の散歩中には必ずリードをつけましょう。

パパのTシャツを食べた事件

格闘の日 – Tシャツ誤食当日

フク!何やってるんだ!それ僕のTシャツじゃないか!

(Tシャツをくわえたまま)うまいニャア…パパの匂いがするニャア…

大変!フク、それダメでしょ!今すぐ吐き出して!

またやったのニャ…フクはいつも変なもの食べるニャ…

だめワン!布は食べちゃだめだワン!

僕は土しか食べないッス!フクはあいかわらず変なやつッス!

これは吐かせなきゃ。塩水を飲ませれば吐くはずだ。フク、こっちおいで。

いやだニャア!(逃げ回る)

(フクを抱えて風呂場へ向かう)大丈夫、これで楽になるから。

気をつけて!フクは嫌がると暴れるよ!

(風呂場で)絶対飲まないニャア!(ひっかく、噛みつく)

(格闘中)いてっ!フク落ち着いて!これはおまえのためなんだ!

(必死に抵抗)絶対イヤニャア!(さらに暴れる)

(手が引っかき傷だらけになりながら)ダメだ…飲ませられない…

(風呂場のドアを開けて)大丈夫?あら、手が血だらけじゃない!

(諦めて)もうダメだ…フクが全然言うこと聞かないよ…

(すたすた歩いて部屋に戻る)勝ったニャア…

パパの手、大丈夫ワン?痛そうだワン…

フクはいつも言うこと聞かないニャ…

大変な家族だッス…こんなときに言っても仕方ないけど、パパもママも、ペットの名前を呼びながら叱るのはやめた方がいいッス!

(手を水で洗いながら)塩水も試せなかったし、吐かせられなかった…どうしよう…

とりあえず手の消毒をしなきゃ。

(落ち込んで)フクのためにしようとしたのに…僕がヘタクソだから…

フクが暴れるのは仕方ないよ。休日だし夜だし、今は様子を見ましょう。

誤食から18日目

あれ?フクの様子がおかしいわ。食べたご飯をほとんど吐いてるわ。

(うずくまって)気持ち悪いニャア…(オエッと吐く)

(急いで駆けつけて)もしかしてTシャツを吐いたかな?

パパは詳しく見てみましたが、白い繊維のようなものだけが見つかりました。

ときどき食べてしまうティッシュペーパーだね。

フク大丈夫ワン?心配だワン…

具合悪くはなさそうだニャ。

フク、大変なわりには、けろっとしてるワン

繰り返し吐くようだったら、病院に連れていったほうがいいな。

フクには水をちょっとずつ飲ませよう。

なぜか食欲はあるんだニャ。

誤食から19日目

(フクのトイレの砂をチェックして)あ!

(駆け寄って)何?何かあったの?

(指さして)これ、Tシャツの破片じゃない?

(驚いて)本当だ!こんなに大きな破片がそのまま出てきたんだ!

すごいニャ!こんなの出てきたニャ!

よかったワン!フクのお腹から悪いものが出たワン!

19日も腸の旅をしてたッス!長い旅だったッス!

(Tシャツの破片を観察して)これが昨日の嘔吐の原因だったんだね。やっと体から出てきた。

フクはいつも周りを心配させるニャ…でも家族だから仕方ないニャ…

私はこないだ病院に行ったけど、あれから、マジメにお薬を飲んでいるワン!お散歩してリハビリに励んでるワン!

そうだね。さっき、アンナのお薬をもらってきたよ。すこしずつ減らしながら、足の治療を続けよう。アンナはそろそろワクチン、狂犬病注射だね。

ハコの爪切りも動物病院でお願いしましょう。

爪切りだけはイヤだニャ!

切ってくれないとパパの手や服が傷だらけになっちゃうよ

またしてもお騒がせしたニャ。パパ、ママ、ごめんなさいニャ。

シニア犬の関節ケアとリハビリ散歩

最近、またちょっと足が気持ち悪いワン。でも、少し休めば痛くなくなるし、大丈夫かな…って思ってたワン。でも、パパとママはそろそろ気づいちゃうかも…。
こないだお散歩に行けなくなっちゃったから、我慢してるんだワン。

最近のアンナ(イヌ)の写真

木曜日の午後

アンナ、また歩き方がおかしい。左後足が震えていた。痛い足をかばっているのか、3本足で歩いたりしているよ。

今日は病院に連れて行って、ちゃんと診てもらいましょう。

えっ!?病院!?やだワン!!病院は怖いワン!!行きたくないワン!!

アンナ、大丈夫かニャ?なんだかいつもと様子が違うみたいニャ。痛いのかニャ?

病院か…オレも行ったことあるけど、あそこはあんまり好きじゃないニャア…。アンナ、気をつけるニャア…。

動物病院にて

パパとママに連れられて病院に行くアンナは、バギーの中から吠え続けていました。

ワンワン!行きたくないワン!

こんにちは、アンナちゃん。今日はどうしましたか?

最近、左後足の調子が悪いんです。特に散歩の後に足をかばって歩くことが多くて、今日は帰宅後にほぼ3本足で歩いていました。

なるほど。それでは診てみましょうね。

獣医師さんはアンナの足を丁寧に触り、関節の動きを確かめました。

左後足の股関節の動きが悪いですね。関節のはまりが浅くなっていて、スムーズに動かなくなっています。亜脱臼の可能性が高いですね。

亜脱臼…?それはどういう状態なんでしょうか?

関節が完全に外れているわけではなく、正常な位置から少しズレてしまっている状態です。触るとわかりますが、足の筋肉が片方だけ衰えています。痛みをかばうことで、無意識に左後足を使わなくなり、筋肉が片方だけ衰えてしまったんでしょう。

前から続いていたんですか?全然気づかなかった…。

そうですね。おそらく痛みがあったため、無意識にかばう動きを続けていたのだと思います。治療としては、まず痛み止めの注射を打ちましょう。

ひゃああああ!!なにするワン!!怖いワン!!

大丈夫だよ、アンナ。これで少し楽になるはずだから、頑張ろうな。

痛み止めの飲み薬とビタミン剤も処方しますね。

家に帰ったら、何に気をつけたらいいですか?

床が滑らないように気を付けてください。痛みがなければ、散歩などもさせてください。歩かせて、筋肉をつけましょう。筋肉が関節を支えられれば、普通に歩けるようになるでしょう。様子を見てよくならなかったら、レントゲン検査や手術も考えてみてください。

手術は避けたいので、言われたとおりにやってみます。痛み止めが足りなくなったら、また来ます。

帰宅後

家の環境を見直そう。滑りやすい床があるな…。アンナがまた足を痛めないように、すべりやすいフローリングにはマットを敷き、段差がある場所にはスロープを設置しよう。

ベッドの周りも調整して、寝返りがしやすいように工夫しないとね。

おっ、部屋の改造大作戦ッスね!これでアンナも快適になるッス!

いつもアンナの肉球ケアや歯磨きをしていたけど、足の動きや筋肉の衰えには気づけなかった。専門家でないと難しいんだな。反省したよ。改めてアンナをしっかり見守る気持ちになったよ。

アンナはもう11歳。シニア犬として、もっと注意深く様子を観察し、少しの変化も見逃さないようにしなければいけないね。

シニア犬は関節の柔軟性が低下して、ちょっとした衝撃や動作でも関節を痛めやすいんだって。特にディスク遊びや急な方向転換は関節への負担が大きいんだ。私たちが気づかないうちに、足を悪くするきっかけがあったのかも知れない。

アンナはだんだんと落ち着いてきました。痛み止めの注射が効いてきたのか、歩き方も自然になってきました。

病院は嫌だったけど、なんか足がラクになってきたワン…。ちょっと眠いワン…Zzz…

金曜日の朝

朝になり、アンナはスッと立ち上がりました。

アンナ、おはよう!今日は普通に歩けてる?

ん?うん、歩けるワン!ごはんもペロリだワン!

薬もちゃんと飲めたな。今日は散歩しやすい場所までバギーで移動しよう。川沿いの遊歩道は芝生もあって足に負担が少なそうだよ。アンナが歩きやすいように、なるべく平坦な道を選んで進むことにしよう。

散歩の途中

お天気も良く、ちょっと寒いけど、春の日差しが降り注いでいました。

よし、ここから歩いてみようか。

無理しないようにね。でも、少しずつ筋肉をつけないとね。

歩くワン!やっぱりお外は楽しいワン!

筋肉がつけば、もっと楽に歩けるようになるはずだから、一緒に頑張ろうな。

手術なしで元気に歩けるように、しっかりサポートしてあげないとね。

パパ、ママ、ありがとうワン!

散歩の帰り道

帰り道、突然、アンナはバギーの中から吠えはじめました。

ワンワンワンワン!!

ママは、アンナの気を引こうと声をかけたり、なだめたりしようとします。

アンナ、どうしたの?落ち着いて。

パパは黙ってポケットからカウンターを取り出し、カチカチと押しています。

ちょっとパパ、なんでこんなときにそんなことしてるの?

吠えた回数を数えてるんだ。数を数えてると、冷静になれるよ。まわりの迷惑になるのはよくないけど、逆効果になるようなことをしないためにも、まずは起きていることを事実として受け止めたいんだ。数を数えると、なぜかそういう気持ちになれるよ。あとでゆっくり振り返ろう。

はぁ…。(あきれた様子)

…………なんかわかんないけど、ちょっと落ち着いたワン。