1分間で変わる?犬と人の向き合い方

夜のリビング

今日『新1分間マネージャー』を読んだんだけど、アンナとの接し方にも役立つと思ったんだ。

あの短い時間で目標やフィードバックをする本でしょ? 犬のしつけにも通じるかもね。

アンナ、社員じゃないけど気になるワン!

1分間目標

『新1分間マネージャー』では、目標を短く具体的にするってあったよね。犬の場合は“欲張らない”のがポイントだと思うんだ。

どういうこと?

たとえば『散歩中ずっと引っ張らない』って決めると、アンナには難しすぎる。だから最初は『3歩だけリードを緩めて歩けたらOK』にする。

3歩ならできそうワン!小さい目標なら、すぐ褒めてもらえるワン!

なるほど、いきなり100点を目指さないで、10点、20点と積み重ねる感じね。

そうそう。小さな成功を細かく刻んで、それを毎回すぐに褒める。

いきなりゴールじゃなくて、階段を1段ずつ登るッスね。

1分間称賛

次は『1分間称賛』。できたときはすぐに『いい子だね、落ち着いて歩けたね』って具体的に褒めるんだ。

わーい!褒められるともっと頑張れるワン!

ニャア…単純でいいニャア。

でも、人間はつい注意ばっかりしがちなのニャ。

そうね。まずはできたことを短く伝える、それだけで気持ちが変わるんだよね。

1分間修正

旧版では『叱責』だったけど、新版では『1分間修正』になってるんだ。失敗したら叱るんじゃなくて、その場で正しい行動に切り替えさせる。

散歩で引っ張っちゃったら?

その場で止まって、『落ち着いて歩こう』って声をかける。間違いを長く引きずらず、その瞬間に修正するんだ。

叱るよりも、次にどうするかを示すってことね。

仕事でも同じッス。責めるんじゃなくて、方向をすぐ直してあげるッス。

まとめ

つまり、『目標を欲張らない』『できたらすぐ褒める』『失敗したらその場で修正』。これを1分でやるだけで、信頼関係が深まるんだって。

犬育ても、人間関係も本質は同じね。

じゃあ明日の散歩から実践だワン!アンナ、がんばるワン!

ふむ、犬のマネジメント論ニャア。

私には『1分間おやつ』をお願いするニャ。

みんなで成長ッスね!

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まだ暑いけどもう9月

フク、今月末が誕生日だよ

ホームセンターに来ています。

そうだね、もうすぐだ。何か準備しないと

去年はペット用のプリンを買ったけど、ハコが食べなかったね

あれはちょっと苦手だったニャ

ボクは美味しかったニャア

今年はこのウェットフードにしよう。二人とも好きそうでしょ?

わぁ、美味しそうニャ

楽しみだニャア

私の誕生日は10月だワン!

そうだね、アンナのケーキも準備しないと

首輪・リード売り場に来ました。

そういえば、しばらく買い換えてないね

この前の大きなペットショップは小型犬用ばかりだったけど、ホームセンターの方が中型犬用が揃ってるね

あ、これなんてどう?おしゃれな感じ。

新しい首輪とリード、嬉しいワン!

その夜、パパは新しい首輪とリードで散歩に出かけました。

持ちやすいし、新しいのは安心感があるな

体育館のシューズの音、やっぱり苦手だワン

大丈夫、ゆっくり行こう

他の犬に吠えられると、アンナは10倍吠え返そうとします。

ワンワンワンワン!

アンナ、落ち着いて

緊張したワン。でも、ちょっとずつ、緊張してハアハアしても、吠えるのは我慢できることが増えてきた気がするワン。もう私はシニアだけど、まだ自分を変えることができると信じているワン。

夜になると秋の風が吹いてきたッス

虫の鳴き声も聞こえるニャア

昼はまだまだ暑いけどニャ

少しずつ季節が変わってきたわね

ペット落語「看板のおやつ」

(座布団にちょこんと座って)え〜、うちの犬、アンナと申しますがね。この子がまた、抱っこされるときに条件を出すんですよ。『ダッコするならオヤツよこせ』って。いや、冗談じゃない、本当にそうなんです。私が抱っこしようとすると、じ〜っと目を細めてこう言うんです

パパぁ、タダで抱っこされてたまるもんかワン!オヤツ出せワン!

しょうがないからポケットからオヤツをチラッと出すと…アンナの目がキラ〜ンと光る。ところがそこで私は、スッと引っ込めるんですね

なんだワン!?出すなら出す、引っ込めるなら引っ込める!中途半端はいちばんいけないワン!

(少し身を乗り出して)いやいやアンナ、これがいわば『看板のおやつ』ってやつでしてね。古典落語に『看板のピン』という噺がありまして──

昔、賭博場で親分がサイコロの一の目を壺の外に転がして『看板のピンだ』と言って客を集めたという話でして。つまり、客寄せのための『見せ玉』ってわけですな

なるほどワン!つまりパパが見せただけのおやつは、壺の外に転がった『一の目』ワン?

その通り。『客寄せのおやつ』ってわけだな

そんなのズルいワン!…でもワクワクして、パパの手から目が離せないワン!

それが心理学でいう『間欠強化』ってやつだ。出すか出さぬか分からぬから、余計に夢中になるんだ

その様子を見ていたハコとフク。

面白そうニャ。私たちもやってみるニャ

僕もやってみたいニャア

翌日、ハコがサンスの前でおもちゃのネズミを見せびらかします。

サンス、これが『看板のおもちゃ』ニャ。遊んでくれるなら見せてあげるニャ

おお、それは魅力的ッス!ぜひ遊びたいッス!

ハコがおもちゃを隠そうとした瞬間…

ハコ、それ僕のおもちゃニャア!勝手に『看板』にするなニャア!

え?ニャ?バレたニャ…

ハコちゃん、『看板のおもちゃ』は自分の物じゃないとダメワン!パパは本当におやつを持ってるから成功するワン!

なるほど、本物を持ってないと『看板』にならないッスね

そこへママが現れます。

みんな何してるの?

ママ!パパが『看板のおやつ』で私をだましてるワン!でも、ちょっと楽しいワン!

看板のおやつ?

古典落語の現代版でして…

パパ、アンナを期待させるだけじゃかわいそうよ

(ついにオヤツを差し出す)──はい、本命。中のおやつ

やったワン!…あれ?中もオヤツだワン!

中もオヤツだって!

〜おしまい〜

夜散歩でまさかの勘違い事件

今日の夜散歩で、びっくりすることがあったワン!

どうしたニャ?何かあったニャ?

通りかかった子供に『ヤギ!』って言われたワン…

ヤギ!?アンナがヤギに見えたニャア?

夜で暗かったからッスかね〜

そうそう、街灯の下を通った時だったんだけど、小さい子が興奮して『ヤギだ!』って指差してきてね

アンナの白い毛並みが、暗闇でヤギっぽく見えたのかもしれないわね

でもすぐに『違った!』って叫んで走って逃げちゃったワン。ちょっと寂しかったワン

子供も恥ずかしかったんだろうニャ〜

アンナの顔、ちょっと長めだからニャア?

そうかもワン…シーリハムテリアは顔が長めワン

でもヤギってアンナよりずっと足が長いッスよ!

そうだね、ヤギは足がスラッと長いけど、アンナは短足だもんな

暗くて全体のシルエットが見えなくて、白い毛と長めの顔だけが見えたのかもね

でも正直、犬だって分かってもらえても、シーリハムテリアだって当てる人はほとんどいないニャ

確かにニャア!いつも『何犬ですか?』って聞かれるニャア

そうなのワン…『ウエスティ?』とか『マルチーズ?』とか言われるワン

シーリハムテリアって珍しい犬種ッスもんね

日本では本当に飼ってる人が少ないからね。犬に詳しい人でも、実物を見たことがない人が多いんだ

散歩中も『初めて見ました!』って言われることがほとんどよね

短足で顔が長い白い犬…確かに暗闇だと不思議な生き物に見えるかもワン

でも可愛いから大丈夫ニャ

ヤギも可愛いしニャア♪

そうワン!ヤギでも、ウエスティでも、最後はみんな『可愛い』って言ってくれるから嬉しいワン♪

ダッコするならおやつよこせワン!

アンナ、仕事部屋に行こうか。

(パパが近づくと身を引いて)ウー、ワン!

え?ダッコさせてくれないのか?仕事部屋に連れて行きたいんだけどな

アンナちゃん、ダッコ嫌がるのかニャ?

そうなんだ。でも、おやつがあれば話は別なんだよな

パパはおやつを取り出して、アンナに見せる。

(目を輝かせて)ワン!ワン!

ほら、おやつあげるから、ダッコさせて

アンナはおやつを食べながら、おとなしくダッコされる。

おやつがあればダッコOKなんだニャア

でも、それって条件付けになってないッスか?

そうなんだ。問題は、アンナがダッコされるたびに必ずおやつを要求するようになったことなんだ

つまり、ダッコ=おやつという学習が成立してしまったニャ

ダッコするならおやつよこせワン!

どうすればいいんだろう

簡単に言うと、アンナちゃんは『唸ればおやつがもらえる』って学習しちゃったニャ

だから、おやつなしでもダッコできるように少しずつ練習するッス

でも、今すぐ仕事部屋に連れて行きたい時はどうすればいいんだ?

今すぐの時はおやつ使ってもいいけど、別の時間に練習するッス

ダッコ中にいっぱい撫でてあげれば、おやつなしでも嬉しくなるはずニャア

なるほど。じゃあ、これからは計画的に練習していかないとな

練習でもおやつは欲しいワン!

翌日

翌日、ママがリビングでアンナにパズルのおもちゃを遊ばせていた。

アンナ、今日はこのパズルで遊びましょう。中におやつが入ってるから、頑張って取り出してね

(夢中になって)ワン!おやつ取るワン!

そこへパパがやってきた。

アンナ、一緒に仕事部屋に行こう

パパがダッコしようと近づくと、アンナはまた唸り始めた。

ウー、ワン!

困ったな、またおやつがいるのか…

そんなことしなくていいよ

ママは高い声で優しく呼びかけた。

アンナ〜、おいで〜

(ママの声に反応して)ワン?

ママはゆっくりと近づき、優しく撫でながらアンナをダッコした。アンナは唸ることもなく、おとなしくダッコされた。

ママ優しいワン

ママはそのままアンナをダッコして、階段を降りていった。

…すごい。どうしてママだとダッコさせてくれるんだ

パパ、顔が険しいニャア

パパは前にアンナに噛まれたことがあるから、緊張してるニャ。その緊張がアンナに伝わってるニャ

動物は人間の感情を敏感に察知するッス。パパの不安や緊張を感じ取って、アンナも警戒してしまうッス

確かに…アンナに噛まれてから、ずっと神経質になってたかもしれない。やり方を考え直さないとな

ママみたいに、高い声で優しく話しかけるのがポイントニャ。低い声や急な動きは犬を緊張させるニャ

ゆっくり近づいて、まず撫でてから持ち上げるのも大事ニャア

そして何より、リラックスして接することッス。パパがリラックスすれば、アンナも安心するッス

そうか…怖がらずに、もっと優しく接してみよう。アンナは家族なんだから

(階下から)パパも優しくしてくれたら嬉しいワン!