(パパがアンナを抱っこして帰宅)
ふう…最後は結局、抱っこ散歩になっちゃったなあ…
パパ、がんばったワン。
アンナもがんばったワン…
3メートルずつだけどワン
(ママが出迎える)
おかえり〜。アンナ、足どうだった?
やっぱりちょっとかばってる感じ?
そうかも。
あと、いつもママが一緒に歩いてくれてたの、あれって大きかったんだなって思ったよ。
今日はひとりだったから難しかった
(サンスが鉢からにゅっと顔を出す)
そりゃあ、いつもの流れと違うと、犬も戸惑うッスよ。
でも、アンナみたいに慎重な子には”見通し”と”安心”が大事ッス
そうなのよねぇ。
でも、おやつで誘導しようとしたら、毎回あげることになって…気づいたら10粒くらい使ってたかも…
毎回あげるのは連続強化ってやつッスね。
最初の学習には効果的だけど、ずっとそれだと『もらえないと動かない』ってこともあるッスよ
だから、だんだん間欠強化にしていくといいニャ。
『たまにもらえる』って状態に慣れると、行動が持続しやすくなるニャ
なるほど…私もつい、歩いたらすぐおやつって思ってたけど、それがクセになっちゃってたかも
えっ…おやつ、減らされるワンか…?
減るっていうより、“もらえるかも”って期待があるほうが、やる気が続くって研究でも言われてるッス。
たしかに、“歩いた → もらえる”のセットを繰り返すだけだと、アンナも“もらえないなら歩かない”って学んじゃうかもね
そうッス。行動が安定したら、強化のタイミングをちょっとずつズラしていくッスよ。
一歩目では何もなし、二歩目で褒め言葉、三歩目でおやつ
みたいにランダムにしていくッス
あとは、声かけや撫でるのも組み合わせていけば、パパでもおやつだけに頼らなくて済むかもね
なるほど…
“歩いた=いいことある”
がバリエーション増えると、アンナも混乱しないで前向きになれるってことか
それともう一つ、アンナの足のことも考えるなら、散歩の距離よりも時間や経験の質に注目するのが大事ッス。
歩数や距離じゃなくて「楽しかったかどうか」がポイントッス
じゃあ、今日はパパに抱っこされて外の空気を吸えただけでも十分だったのかもね。
歩かなかった=失敗ってわけじゃないのよね
アンナ、パパと一緒で、ちょっとドキドキしたけど、いい匂いの風が気持ちよかったワン…
いい散歩だったッスね。
それに、こうやって少しずつ「知らない状況でも安心できた」って経験が増えると、自信が育ってくッスよ
次は一粒で…5メートルを目指すか!
やるワン!