ダッコするならおやつよこせワン!

アンナ、仕事部屋に行こうか。

(パパが近づくと身を引いて)ウー、ワン!

え?ダッコさせてくれないのか?仕事部屋に連れて行きたいんだけどな

アンナちゃん、ダッコ嫌がるのかニャ?

そうなんだ。でも、おやつがあれば話は別なんだよな

パパはおやつを取り出して、アンナに見せる。

(目を輝かせて)ワン!ワン!

ほら、おやつあげるから、ダッコさせて

アンナはおやつを食べながら、おとなしくダッコされる。

おやつがあればダッコOKなんだニャア

でも、それって条件付けになってないッスか?

そうなんだ。問題は、アンナがダッコされるたびに必ずおやつを要求するようになったことなんだ

つまり、ダッコ=おやつという学習が成立してしまったニャ

ダッコするならおやつよこせワン!

どうすればいいんだろう

簡単に言うと、アンナちゃんは『唸ればおやつがもらえる』って学習しちゃったニャ

だから、おやつなしでもダッコできるように少しずつ練習するッス

でも、今すぐ仕事部屋に連れて行きたい時はどうすればいいんだ?

今すぐの時はおやつ使ってもいいけど、別の時間に練習するッス

ダッコ中にいっぱい撫でてあげれば、おやつなしでも嬉しくなるはずニャア

なるほど。じゃあ、これからは計画的に練習していかないとな

練習でもおやつは欲しいワン!

翌日

翌日、ママがリビングでアンナにパズルのおもちゃを遊ばせていた。

アンナ、今日はこのパズルで遊びましょう。中におやつが入ってるから、頑張って取り出してね

(夢中になって)ワン!おやつ取るワン!

そこへパパがやってきた。

アンナ、一緒に仕事部屋に行こう

パパがダッコしようと近づくと、アンナはまた唸り始めた。

ウー、ワン!

困ったな、またおやつがいるのか…

そんなことしなくていいよ

ママは高い声で優しく呼びかけた。

アンナ〜、おいで〜

(ママの声に反応して)ワン?

ママはゆっくりと近づき、優しく撫でながらアンナをダッコした。アンナは唸ることもなく、おとなしくダッコされた。

ママ優しいワン

ママはそのままアンナをダッコして、階段を降りていった。

…すごい。どうしてママだとダッコさせてくれるんだ

パパ、顔が険しいニャア

パパは前にアンナに噛まれたことがあるから、緊張してるニャ。その緊張がアンナに伝わってるニャ

動物は人間の感情を敏感に察知するッス。パパの不安や緊張を感じ取って、アンナも警戒してしまうッス

確かに…アンナに噛まれてから、ずっと神経質になってたかもしれない。やり方を考え直さないとな

ママみたいに、高い声で優しく話しかけるのがポイントニャ。低い声や急な動きは犬を緊張させるニャ

ゆっくり近づいて、まず撫でてから持ち上げるのも大事ニャア

そして何より、リラックスして接することッス。パパがリラックスすれば、アンナも安心するッス

そうか…怖がらずに、もっと優しく接してみよう。アンナは家族なんだから

(階下から)パパも優しくしてくれたら嬉しいワン!